Seminar

目的 ・社外取締役をはじめとする社外役員が安心して実務を遂行し、企業価値向上へ貢献するためは、担当する事務局の役割・位置づけに対する深い理解とサポートが必須となります。他方で、社外役員は必ずしも社内事情に精通しておらず、また、会社を見る眼もさまざまであることから、適切なコミュニケーションが求められます。

・本講座では、社外取締役である講師自身の経験に基づきながら、「社外役員から見た会社の風景」とはどのようなものであるかを紹介し、経営陣のリスクテイクに関する在り方、そして、これに対する社外役員の位置づけや役割、活用の在り方について、分かりやすくご説明します。その上で、事務局が、社外役員とのコミュニケーションをどのように図ったらより社外役員を活用することができるかという視点に立ち、担当事務局の方々の実務上の留意点について、お役に立つであろうと思われるお話をしたいと思います。

・講師はかつて複数の会社において、企業内弁護士として「会社の中からの目線」で仕事をし、その後法律事務所に入所し、現在は同時に複数の会社で社外役員をつとめています。以上のような「異なる立ち位置」で得ることのできた複眼的な視座を、講義に活かします。
構成 1 取締役会の実効性・事務局実務等に関する簡単なご説明とOnBoardのご紹介
  芦原先生のご紹介(15分)〜松澤〜
2 芦原先生のお話(60分)
 I 社外役員の位置付けと役割
  1. コーポレートガバナンスと内部統制の違い
  2. 経営者のミッションと責任
  3. 社外役員の位置付けと役割
    (1) 「スリーラインディフェンス」の功罪
    (2) チェックする立場(事後プロセス)
    (3) サポートする立場(事前プロセス)

 II 社外役員の活用
  1. 社外役員から見た会社の風景
  2. 社外役員の個性と会社の個性
  3. どのように活躍してもらうか
    (1) 取締役会での言動
    (2) その他の場面
    ・独立社外役員のみによる会合における留意点
    ・監査役との連携をどのように図るか
    ・経営会議に出席してもらうべきか
    ・機関投資家からの対話の要請があった場合、どうするか

 III 社外役員サポートの現場
  ・事務局が行うサポート類型ごとの留意点
    庶務的・総務的なサポートについて
    社外役員の情報接受に関するサポートについて
    コミュニケーション・サポートについて
  ・就任時のサポートをどうするか、どんな悩みがあるか
  ・情報取得体制の整備をどうするか、どんな悩みがあるか
  ・社外役員の方に「諸事をなかなかご理解いただけない」場合、どうするか
  ・社外役員に「行き過ぎた感」が顕著である場合、どうするか
  ・来年度に向けて……社外役員のノミネートにどのように一票を投じるか

3 QA(15分)
対象
  • 会社の取締役会事務局の方
  • 役員構成を検討されている企業の方
  • 取締役・監査役の方
  • 取締役・監査役になろうとする方

※役員紹介の同業者の方や競業する方のご参加はご遠慮いただいております。

開催時期 2023年1月27日(金)14:00〜15:30
回数 1回 1時間半
費用 無料
会場 オンライン
※お申込み頂いた方で当日ご受講できなかった方は、録画をご視聴できます。
講師

講師プロフィール

芦原 一郎

芦原 一郎

弁護士法人キャストグローバル パートナー/弁護士

早稲田大学法学部、ボストン大学ロースクールを卒業。森綜合法律事務所(現森・濱田松本法律事務所)、約20年の社内弁護士(アフラック、GE、みずほ証券、チューリッヒ保険)経験。特に、労働法・保険法と経営分野が専門(訴訟・規制対応・経営サポート・リスク管理など)。 司法試験考査委員(労働法)、日大危機管理学部「労働法」担当、日新火災海上保険社外取締役、東京弁護士会労働法委員会副委員長など。『経営の技法』(久保利英明・野村修也・芦原一郎/中央経済社/2019)、『法務の技法<第2版>』(中央経済社/2019)、『労働判例読本』 各年版(産労総研・経営書院/2020~2022)、『企業による暴力団排除の実践』(共/東弁民暴委員会編/商事法務/2013)など、著書多数(40冊以上)。

松澤 香

松澤 香

OnBoard株式会社 代表取締役CEO

02-17年、森・濱田松本法律事務所。独立後、19年に法律事務所を共同パートナーと設立。株式会社センシンロボティクス、株式会社メディカルノート社外取締役監査等委員、株式会社アンドパッド社外監査役、一般社団法人日本IT団体連盟 監事。01年慶應義塾大学法学部法律学科卒業、08年ハーバード大学ロースクール修了。弁護士・ニューヨーク州弁護士。